目次大型犬の通院|愛する我が子が「動かせない」という現実「昨日までは何とか立ち上がれたのに、今朝から全く立てない」「車に乗せようとしたけれど、腰砕けになってしまい、夫婦二人でも抱え上げられない」ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバー、バーニーズなどの大型犬と暮らす飼い主さんにとって、愛犬が歩けなくなる事態は、まさに「緊急事態」です。小型犬ならキャリーに入れて運べますが、30kg、40kgを超える大きな体を無理に運ぼうとすれば、飼い主さんが腰を痛めるだけでなく、愛犬にも激痛を与えてしまうリスクがあります。 「病院に行かなければ」という責任感と、「物理的に動かせない」という現実の板挟みになっている飼い主さんへ。今回は、大型犬を無理に運ばずに医療を受ける「往診(訪問診療)」についてお話しします。無理な運び出しは危険|大型犬の通院リスク「ペットタクシーを使えばいいのでは?」「担架を作れば運べるのでは?」 そう考える飼い主さんもいらっしゃいますが、寝たきりや歩行困難な大型犬の移動には、想像以上のリスクが伴います。1. 飼い主さんの「共倒れ」リスクぎっくり腰や椎間板ヘルニアなど、介護する人側が体を壊してしまうケースが後を絶ちません。飼い主さんが動けなくなってしまえば、誰が愛犬の介護をするのでしょうか? 共倒れを防ぐことは、愛犬を守るために最も重要なことです。2. 関節や内臓への負担無理な体勢で抱き上げたり、車の中で揺られたりすることは、関節炎や股関節形成不全を持つ大型犬にとって激痛を伴います。また、呼吸状態が悪い場合、移動のストレスが命取りになることもあります。3. 排泄のコントロール不能移動中の車内で失禁や脱糞をしてしまい、汚れた体で病院の待合室にいなければならない状況は、きれい好きな犬にとっても、飼い主さんにとっても大きな精神的ストレスになります。寝たきりの大型犬にこそ「往診」を|自宅でできるケア往診(訪問診療)の最大のメリットは、「獣医師がご自宅まで行く」ことです。 玄関まで連れてくる必要もありません。愛犬が今、横になっているリビングや寝室が、そのまま診察室になります。鎮痛管理(痛みの緩和)大型犬が歩けなくなる原因の多くは、関節炎や脊椎症などの「痛み」です。 往診では、その場での痛み止めの注射や、内服薬の処方を行います。痛みが取れることで、再び自力で立ち上がれるようになるケースも少なくありません。床ずれ(褥瘡)の処置寝たきりになると、体重が重い大型犬はすぐに床ずれができてしまいます。 自宅での処置はもちろん、クッションの当て方や体位変換のコツなど、悪化させないためのプロの介護テクニックをその場で指導できます。血液検査・点滴・エコー検査「家では簡単なことしかできない」と思われがちですが、血液検査による内臓機能のチェックや、脱水補正のための点滴、ポータブルエコーによる診断など、病院と遜色のない医療を提供できます。困ったときの動物病院との連携|ノートル動物病院の大型犬ケア私たちノートル動物病院は、多くの大型犬・超大型犬の往診経験があります。 体が大きく、力も強い大型犬だからこそ、安心・安全なケアを徹底しています。寝たままでOKです診察のために無理に立たせたり、姿勢を変えさせたりはしません。愛犬が一番楽な姿勢のままで、聴診や採血、処置を行います。環境整備のアドバイス大型犬の介護生活を少しでも楽にするために、滑りにくい床材の選び方、介護用ハーネスの活用法など、ご自宅の環境に合わせた具体的なアドバイスをいたします。最期まで自宅でもし、回復が見込めない状態であったとしても、住み慣れた我が家で、大好きな家族に囲まれて穏やかに過ごすための「緩和ケア(ターミナルケア)」をサポートします。飼い主さんへ|あなたの体と笑顔を守ってください「病院に連れて行ってあげられない」「何もしてあげられていない気がする」そんな無力感に、心をすり減らしている方も少なくありません。でも、どうか忘れないでください。あなたがそばで悩み、迷い、最善を考え続けていること自体が、何よりの愛情です。私たちは、医療機器を携えてご自宅へ伺います。もう、重たい体を抱えて移動する必要はありません。その代わりに、浮いた力と時間を、そっと頭を撫でること、名前を呼ぶこと、「大丈夫だよ」と声をかけることに使ってあげてください。飼い主さんのぬくもりと声は、どんな薬よりも、どんな処置よりも、わんちゃんの心を支える力になります。最期まで、「ここが安心できる場所」だと感じられるように。私たちは、その時間を一緒に守るために、ここにいます。まとめ|「運ばない」選択が、大型犬と家族を守る大型犬の通院は、飼い主さんの体力勝負であってはなりません。無理な移動は、双方にとってリスクが高いものです。30kg超の犬の移動は、飼い主の怪我や犬の病状悪化のリスクがある。往診なら、寝たきりの状態でもベッドサイドで診察・処置が可能。痛み止めや床ずれケアなど、QOL(生活の質)を維持する治療が受けられる。飼い主さんの負担を減らすことが、長く続く介護生活を支える鍵になる。「もう診察を受けることができない」と諦める前に、ノートル動物病院へご連絡ください。 大きな体を優しく包み込むような医療を、ご自宅へお届けします。