目次愛犬が部屋の中をずっと歩き回る、家具の隙間に挟まって動けなくなる……。老犬の「徘徊」を目の当たりにすると、飼い主様は「いつまで続くのか」「どうしてあげればいいのか」と、出口のない不安を感じてしまうものです。徘徊は、犬にとっても飼い主様にとっても「SOSのサイン」。本記事では、徘徊の正体と、今日からご自宅で取り入れられる具体的なケア方法をQ&A形式で解説します。Q1. なぜ老犬は「徘徊」をするのでしょうか?A. 主な原因は「認知症(認知機能不全症候群)」や「脳の疾患」、あるいは「不安」です。人間と同じように、犬も高齢になると脳の機能が低下し、認知症を発症することがあります。症状具体的な変化方向感覚の喪失自分がどこにいるか分からなくなり、歩き続けます昼夜逆転脳の体内時計が乱れ、夜中に活動的になります不快感の訴え関節の痛みや排泄の違和感を解消したくて歩き回るケースもあります まずは、動物病院で「痛みや内臓疾患が隠れていないか」を確認することが、解決への第一歩です。Q2. 部屋の隅で動けなくなったり、壁にぶつかったりします。対策は?A. 「角(カド)」をなくし、円形のセーフティスペースを作ってあげましょう。徘徊する犬は、バック(後退)することが苦手になります。部屋の隅に入り込むと出られなくなり、パニックで鳴いてしまうことも。円形サークルの活用四角いケージではなく、丸いプールやサークルが理想です。ぶつかっても痛くないメッシュ素材や、ビニールプールにバスタオルを敷いたものがおすすめです。家具の隙間を埋めるクッションやバスタオルを丸めたものを隙間に詰め、挟まりを防止します。滑り止め対策足腰の踏ん張りがきかないと疲労が溜まります。ヨガマットや大判のコルクマットを敷き、歩きやすい環境を整えましょう。Q3. 夜中の徘徊が続いて、飼い主が寝不足で限界です。A. 「昼夜逆転の改善」と「サプリメント・お薬」の活用を検討してください。飼い主様が倒れてしまっては、愛犬を支えることができません。無理をせず、以下の方法で「夜寝るサイクル」を取り戻しましょう。日光浴と日中の刺激朝日で体内時計をリセット。寝たきりでなければ、短時間でも外の空気に触れさせ、脳に刺激を与えます。サプリメントの活用DHA・EPAや、抗酸化作用のあるサプリメントは、脳の健康維持に役立ちます。お薬の力を借りる鎮静剤や睡眠導入剤を使うことは「かわいそう」なことではありません。愛犬も「眠れない苦痛」から解放され、穏やかに過ごせるようになります。Q4. 徘徊しているときは、無理に止めたほうがいいですか?A. 無理に抱き上げるのではなく、見守りながら「安心感」を与えてください。無理やり止めると、犬が驚いて噛んでしまったり、かえって興奮したりすることがあります。誘導してあげる体を優しく支えて、円形サークルへ誘導しましょう。「疲れたら休む」をサポート歩き疲れて座り込んだタイミングで、優しく声をかけ、マッサージをしてリラックスさせてあげてください。飼い主様へ|一人で抱え込まないでください老犬の介護は、24時間365日続くものです。徘徊は、あなたの愛情が足りないから起きているのではありません。「最近、夜泣きが増えた」「歩き方がおかしい」と感じたら、まずは私たち専門家にご相談ください。お薬の調整や、介護用品のアドバイスなど、飼い主様と愛犬が「笑顔で過ごせる時間」を増やすお手伝いをいたします。まとめ|穏やかなシニアライフのために老犬の徘徊は、加齢に伴う自然な変化の一つです。まずは以下のポイントから始めてみてください。安全の確保: 円形サークルや滑り止めで「安心して歩ける場」を作る。生活の工夫: 日中の日光浴と寝る前の排泄ケアでリズムを作る。専門家への相談: 痛みや不眠は、獣医師と一緒に医学的な解決策を探る。私たち獣医師は、病気を治すだけでなく、ご家族の生活を守るパートナーでありたいと考えています。徘徊の記録(時間帯や歩き方)をメモして持ってきていただければ、その子にぴったりのケアを提案できます。「最近、夜が長くて辛いな」と感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。一緒に、愛犬との穏やかな時間を取り戻しましょう「もっと詳しく知りたい」「他の方法も探している」という方は、こちらの完全ガイドをぜひご覧ください。愛犬と飼い主様が穏やかな生活を送るための、より具体的なヒントが満載です。[高齢犬の「夜鳴き・徘徊」は認知症のサイン?原因と在宅ケア&最新治療]